日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第63回研究発表大会
セッションID: PC-20
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短下肢免荷装具の歩行性の向上に関する研究
PTB免荷装具を対象とした歩行比較
宮崎 御夫大塚 裕史
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抄録

従来、骨折などの怪我等によって下腿の免荷が必要になった場合、歩行補助具が利用される。特に下腿の完全免荷が可能であり且つ両手の自由が犠牲にならないのはPTB(Patella Tendon weight Bearing)免荷装具のみである。本研究ではPTB免荷装具を利用した歩行(既存モデル,提案モデル)と正常歩行の3種類の歩行比較を行い,利用者にとって歩きやすさと快適性が高い免荷装具の提案・検証を目的とした。まず装具装着時の歩行と正常歩行との比較を行った。歩行補助具を装着することで起こる問題点はストライド長の確保と接地時の衝撃による自由落下であった。この不具合を改善できる提案モデルをCAD上で作成し,応力解析を行った。さらに作成したものを既存モデルに取り付け歩行に障害のない健康な大学生20人に筋電図,10m歩行測定,主観評価を用いて評価を行った。10m歩行測定では歩行時間に変化はなく、歩数が減り、ストライド長が長くなった。また筋電図では変化が見られなかったが、主観評価では提案モデルの方がよりバランスと歩きやすさが向上したことがわかった。結果、歩数,ストライド長,主観評価が優れた提案をすることができ、既存モデルより歩行性が向上したと考えられる。

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© 2016 日本デザイン学会
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