日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第63回研究発表大会
セッションID: PC-28
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「個」の時間を創出するためのパーティションの提案
倉田 晃希赤井 愛
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抄録

人間は常に他者と関わりながら生活する上で、一人でくつろぐことのできる「個」の時間が大切である。日常生活の中で手軽に「個」の時間を実現し得る空間の例としてトイレが挙げられ、読書や携帯電話から睡眠に至るまで、様々な行為を内包したくつろぎの空間としても活用されている。そこで本研究では、トイレのようにコンパクトでありながら様々な行為を内包した「個」の空間をつくることを目的とし、商業空間などにおいても手軽に実現し得るパーティションの提案を行う。実現すべき要件として(1)内と外を完全に遮断するのではなく、両者が緩やかにつながること、(2)空間全体に対する圧迫感、重量感を抑えること、(3)パーティションの移動、設置が容易であること、の3項目を挙げ、ステンレス鋼板による螺旋形のフレームを白い糸でつないだ円錐型の形態を創出した。これを天井から吊るすことにより、わずかな風でも緩やかに回転し、白い糸の重なりから透過性に富み、軽やかで浮遊感のある新たなパーティションとなった。

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© 2016 日本デザイン学会
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