現代の日本人の生活は欧米化の一途を辿っており、伝統的な日本のスタイルがほとんど見受けられない。ただ一方では、近年の国際化がもたらした文化の均一化等が関係し、日本人の伝統回帰志向も見受けられるようになってきている。そして、ものづくりにおいても伝統文化の現代への生かし方を考える必要性が増してきている。しかし、従来の伝統文化に関連した製品デザイン研究では、特定の伝統文化・伝統品に絞った上で、新製品の開発や、デザインの見直しを行う研究が多く「どう伝統文化を生かすべきか」「どうすれば日本人に受け入れられるか」という点について言及されているものは少ない。よって本研究では、「伝統文化の融合方法」に着目し、その中でも「古今融合=日本の伝統文化と近代文化を融合させること」に特化した研究を行う。そして、古今融合製品についての日本人消費者の嗜好性・購買性向を調査し、日本人に受け入れられる古今融合の在り方を探る。