近年、「カープ女子」や「プロレス女子」といった、「○○女子」というネーミングが増えてきている。このような性別を含む特定の「キャラ」を示す表現は、次々と生み出され、次々と消えている。
それらは、流行現象を後から定義づけた言葉もあれば、マーケティング的な狙いから生み出された言葉もあるだろう。
もしかすると、他人を「キャラ」の枠に当てはめることで、その人や社会の動きをわかったつもりになろうとしているのではないか。
そこで、「経済成長の推移」や「女性の社会進出」などを手がかりに戦後の社会環境の変遷を概観しながら、「○○女子」という表現の成立過程を捉え直す試みを行った。
接尾辞の変化には、女性の社会進出の変遷が影響していると思われ、現在の「○○女子」は女性のライフスタイルが多様化していることの象徴であった。
社会は男女の差が少なくなっていく方向にシフトしており、その断片が「○○女子」に反映されていると考えられるが、実際はまだ男性中心の社会であり、男性と女性の機会の差は、均等ではないと考えられる。