本研究は、ワークショップに参加する子ども自身の印象(気持ち)とその変化の傾向を定量的にとらえる手法「気持ち温度計」をベースとして、自由参加、随時入退室可能なセルフワークショップにおいて、評価シートのデザインにより回答傾向にどのような差異が生じるかを検証するものである。従来の「温度計」に加え「デジタルメーター」「タコメーター」をモチーフとした3種類の評価シートを作成し、これらの記入形式の違いによって回答傾向にどのような差異が生じるのかを明らかにすることを目的とする。今回の分析において、評価シートの記入形式(モチーフ)が異なっても、工程による印象の変化を読み取ることは可能であることがわかった。また、記入時の理解のしやすさ、評定値のばらつき方や有効回答率にはモチーフごとに傾向が見られ、また、その違いは低学年と高学年に分けて分析する事でより明確になった。これらの結果から、特にセルフワークショップにおいては、幅広い学年を対象とする際には温度計、高学年を対象とする際にはタコメーターといったように、参加者に応じて適した記入形式の選択により、より精度の高い調査につながる可能性が示唆された。