抄録
本研究は、企業の中でデザインリフレクションを実践することで、その時々の状況に合うデザイン方法を実行できる実践者を育成し、それができるチームをつくる取り組みに関する研究である。デザインリフレクションとは、デザインした当事者が、デザインを形づくる過程での自身の行為と思考をふり返りながら語り、その行為と思考に込められた意味を導き出すものである。本稿では、成功事例であるYahoo!知恵袋を題材にデザインリフレクションを実施した結果を考察する。デザインリフレクションの方法は、ふり返りに必要な4項目「1:実践したこと」「2:実践したことの理由」「3:起こったこと」「4:起こったことの意味と価値」を設定し、知恵袋チーム外でデザイナーをコーチングする役割をもつデザインアドバイザーが知恵袋チームのデザイナーに実践内容をヒアリングする形式をとった。その結果、実践したデザイン方法がチームメンバーに与えた影響をデザイナー自身が理解することで、より適切なデザイン方法に気づき、次の実践の際にデザイン方法を強く意識するようになった。ここから、デザインリフレクションを実施しデザイン方法を見直すことは、その時々の状況に合うデザイン方法を実行できるチームづくりに有効であることがわかった。