抄録
我々は、製品デザインを視覚的に認知するとき、「未来的」であるかどうかを評価し、共有している。そこには、Sci-Fi(Science Fiction)の作品世界における架空のデザインの視覚化が影響しており、その結果として、未来を視覚的に認知し、共有できる一般的な概念として認識できるようになった。しかし、Sci-Fiもまた、現実世界から文化的に生みだされる作品世界である。このように、現実とSci-Fiは、製品デザインにおいて相互的であり、製品デザイン史におけるSci-Fiと未来の概念の関係を明らかにすることは、それを内包した製品デザインの可能性を示唆し、また将来の製品デザイナーの発想を支援するツールになり得る。そこで本研究では、ある製品デザインに対して個人が抱く、未来の視覚的な認知を促す機能を「大衆未来観」と独自に定義し、それが一般的な概念として社会的にどのように組織され、機能するかを明らかにし、将来の製品デザインにおける可能性を追求する。