抄録
近年、女性の社会進出が加速し、これまで男性中心であった職場においても、女性が活き活きと活躍できる環境が求められる。一方、重筋作業系の工場では、現在、女性の従事者は極めて少ない。しかし、女性の社会進出や少子高齢化に伴い、今後増加が望まれている。また、女性作業従事者のみならず、高齢化の進む男性作業従事者にとっても、負担を軽減しうる快適な作業環境の実現が期待される。そこで本稿では製造現場での調査を通し『材料置き場から材料を台車へ乗せる→運ぶ→機械へセットする→材料置き場へ戻る』という高低差の多い作業プロセスと、それに伴う作業従事者への身体的負荷、作業時の安全への配慮の重要性といった課題に対し、①リフターによる高さ調節機能 ②視認性、誘目性の高いカラーリング ③収納スペースの充実、といった観点から『工場で働く女性の身体的負担を軽減する台車』を提案する。製造現場での試用などを通して検証を行った結果、押して移動する、道具を出し入れするといった動作をより円滑にするとともに、大きな上下運動を必要とする作業において、従来の台車に対し全工程における作業時の高低差を全体で約3分の2に抑えることができた。