栄村には「猫つぐら」という伝統的工芸品がある。それは生活の知恵を活かしてつくられたものであり,2014 年には長野県指定伝統的工芸品に認定された。しかし,村の生活の変化とともに「猫つぐら」の生産者は減少している。また,急速な工業化の影響などで伝統的な農村共同体が解体されるとともに,伝統的工芸品の地域資源は消失してきた背景がある。本稿においては,長野県の地域資源としての「猫つぐら」を取り上げ,その歴史的経緯を整理するとともに,その今日的な魅力と価値を再発見することを目的とする。栄村の生活文化を再確認・再認識することによって,伝統的な地域文化の消失を防ぐ。