日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会第70回研究発表大会
セッションID: 6A-03
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住民共創を促す地域芸術活動の考察: 場所と「雰囲気」のインターディフュージョンから生成していく地域表現
*路 梦瑶
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抄録

本研究では、既存大型地域芸術活動(地域アートプロジェクトを中心に)の疲弊と受容性問題に対し、地域の「雰囲気」という視点を取り入れ、住民共創による地域の表現から、地域芸術活動による自律的なまちづくり可能性を考察する。まず場所と雰囲気の概念につき、人間が生まれつき持つ「感知」を通じて、共創によって地域の表現が絶えず生成されていく理論的枠組みを提案した。また、雰囲気の美学の視座から、物理的な場所と人との関係に加え、場所に関する認知的·文化的な側面を重視し、共創による表現に至るまでのメガニズムを論じ、場所にいる人間が個人レベルでの感知から、集団レベルの感知に至り、そして表現に落とし込むための理論的モデルを構築した。生活経験を活かし、住民が地域の雰囲気を自覚し、デザインやアートの視点からファシリテーションを行うことで、住民の共創による表現が成り立つ。この表現を将来的な地域アートプロジェクトの方向性として提案したい。

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© 2023 日本デザイン学会
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