主催: 日本デザイン学会
会議名: 日本デザイン学会第70回研究発表大会
回次: 70
開催地: 芝浦工業大学 豊洲キャンパス
開催日: 2023/06/23 - 2023/06/25
新潟県三条市の地域コミュニティイベント「三条マルシェ」は、平成22年度から令和4年度まで累計75回開催され、来場者16.4万人出店者4000店以上が参加した。筆者はマルシェ立ち上げ時から2年間実行委員として参画し、令和5年度から約10年ぶりに実行委員に復帰した。コロナ渦によって存続の危機に瀕しているマルシェに、デザインサイエンス領域の思考方法と手法を実装することで、あらたな可能性を創り出したいと考えたからである。具体的な手法として、実行委員会における運営プロセスの再設計・タスクとスケジュールを共有するためのワークショップ・過去開催データのアーカイブ作成などを実施(一部実施中)した。委員たちの業務改善と情報共有強化によって、効率的かつスムーズな運営につながり、結果的に参加者と出店者、スタッフ全員の満足度の向上を継続的に目指す。この実践を通し、デザインの力は委員たちにどのような変革をもたらしたか、デザイン行為に対する意識改革はどのようなものか、市民が見つけ出した学びの場としてのマルシェなど、次の段階に進む手がかりとなる成果を得られた。
マルシェにおいては一貫して、幅広い年代と職種の委員たちが無償で集い、熱く語らい、試行錯誤しながら運営に尽力している。そのさまに、筆者は常に心を大きく動かされ続けている。人々とコミュニティが持つ底力、巨大な熱量はどこから来るのか。地域社会を生きるための技術とその継承、あるいは独自のデザイン的な思考方法が存在するのではないか。この問いを解析すべく、現場における実践を続けながら、デザインの価値について研究を進める。