主催: 日本デザイン学会
会議名: 日本デザイン学会第70回研究発表大会
回次: 70
開催地: 芝浦工業大学 豊洲キャンパス
開催日: 2023/06/23 - 2023/06/25
本研究は、デザインにおけるイノベーションの創出に不可欠な創造性と、それに必要な推論の一つである仮説形成(アブダクション)に着目し、美的興味を引き起こすためのモデル選択の条件を示し、被験者実験により検証することを目的としている。仮説は、切り替え前の複雑なモデルと、切り替え後の単純なモデルの選択が、美的興味を引き起こすというものであり、変分自由エネルギーを用いた体系的な説明も可能である。VFEの減少が生物学的に意義のある情報を収集し、予測する能力の向上を意味するため、単純なモデルが選択されると非流暢性が減少し、美的興味が生じることを説明している。実験参加者は、点が動く映像を見て質問に答え、その後2自由度または3自由度のリンク機構を付加した映像を見て再び質問に答えた。複雑なモデルで単純な動きが実現されるとき、美的興味が高まるという実験仮説のもと結果の分析を行った結果、有意差は見られなかったが、仮説を支持する傾向が見られた。この研究は、創造性におけるアブダクションの重要性を再認識させるとともに、アブダクションに関連する神経現象を解明するための一助となる可能性がある。