日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会第70回研究発表大会
セッションID: 2D-01
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冷戦初期におけるウィル・バーチンのプロパガンダ・デザイン
米国情報局の情報戦略「カラマズー展」
*井口 壽乃
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抄録

本研究の目的は、第2次世界大戦中にアメリカに移住したドイツ人デザイナーのウィル・バーチン(Will Burtin, 1908-1972)のデザイン活動に着目し、冷戦期にいかにアメリカが対ソ情報戦略のためにヨーロッパ移民芸術家を利用したかを探求することにある。冷戦初期の1950年代において、アメリカ政府広報機関である米国情報局(USIA)は対ソ情報戦略に乗り出す。USIAは展覧会を企画し、バーチンにデザイン協力を依頼する。本論文では、このアメリカ中西部都市カラマズー展について焦点をあて、カラマズー展の企画の主旨と1958年西ベルリンでの巡回展について検討し、ヨーロッパのモダンデザインの理論と手法がいかにアメリカのプロパガンダに利用されたかを実証する。第1にUSIAの対ソ連政策とその政治的背景について検討する。第2にカラマズー展の内容を明らかにし、USIAの情報政略とバーチンの関係について明らかにする。第3にベルリン巡回展のバーチンの企画について考察する。結論として、移民デザイナーのアメリカの対ソ政策協力の局面をデザイン史に位置付ける。

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