主催: 日本デザイン学会
会議名: 日本デザイン学会第71回研究発表大会
回次: 71
開催地: 九州産業大学
開催日: 2024/06/21 - 2024/06/23
近年の視覚表現の拡大は加速し続け、開発される新しいメディアが導入がされる一方で、生物種としての人間の特性に訴えかける表現(触覚、嗅覚など)、あるいは他の生物種を実際に取り巻いていく表現も多く生まれている。例えば、バイオアートおよびバイオデザインと呼ばれる、直接的な生きものとの協働や生物的システム(DNAなどのミクロシステム、また生態系などのマクロシステム)の導入がなされる視覚表現がみられるようになって久しいが、表現の要素、制作方法の内に人間以外の存在が介在するために、そこに生じる偶然性や非制御性の発露は独自の表現を示してきた。一方で、そうした表現を下支えする設計の部分には、個々の生物種に対する観察と、彼らの生存が確保される環境の設計がみられる。
本論では、異種生物との協働がみられるバイオにまつわる表現(アート/デザイン)において、その基礎的環境設定の視点としてヤーコプ・フォン・ユクスキュルの「環世界(Umwelt)」について整理する。また、その表現において近年まとまりを見せている微生物を用いたグラフィックスを事例に、生環境の設定と、そこから生じるデザイン的課題について論じる。