社会規範やしがらみを超えて その土地に関わる人びとを縁りあわせる活動のデザイン

抄録

筆者の母方の生家は、岩手県奥州市水沢姉体町にて400年続く農家「及川家」である。及川家では代々豊作の神様「三郎狐」が祀られてきたが、生活様式の変化などによって伝統の継承が危ぶまれている。それにより、三郎狐を介して繋がれてきた人びとの地縁の糸が解かれつつある。本稿では、姉体をフィールドに実践してきたこれまでの「人を縁りあわせる活動」を省察し、一連の流れから見えた社会規範やしがらみを超えた地縁で繋がる新しいコミュニティの可能性について考察した。