日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会第71回研究発表大会
セッションID: PB-01
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京くみひもを応用した生活用品のデザイン
機能を組み込んだ新しい組紐の作り方
*畔柳 加奈子泉野 雅斗高井 優作山本 琉翔
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抄録

京都の伝統工芸である京くみひもを応用した製品をデザインした。組紐はさまざまな色の絹糸を手作業で組んだ紐であり、古くから着物や神社仏閣の装飾などに用いられる。近年は需要が減り、産業としての存続と作り手の技術の継承が課題である。本研究では、京くみひもの存続を支えることを目指し、組紐の特性と魅力を現代の生活ニーズに適合させたプロダクトを開発する。実現には、組紐が装飾に終始せず機能をもって生活に溶け込むアイデアと、京くみひも工房の仕事を生むものづくりプロセス、つまり機械組紐に代替されない新たな作り方の設計が必須となる。大学近隣の工房の協力を得て素材特性と製作方法を理解し、電源コードや磁石などを組み込む新たな手法を開発。組紐コードに結びを施すことのできるペンダント照明、組紐コードで自立するデスクライト、組紐が金属面に取り付けられるキーストラップ、両端に磁石を施した組紐モジュール「Katti!」を制作した。これらの一連の製作物を展覧会にて発表し、商品化および購入を希望する意見を得ることができた。

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