日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会第71回研究発表大会
セッションID: PB-09
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地域博物館における文化財共有の自立化の試み
市原歴史博物館における3Dデジタル技術を用いたWSの実践に基づいて
*陳 娟志青木 宏展植田 憲
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抄録

市原歴史博物館“I'Museum”は、「見学や体験を通じて生活者自身を当該地域の歴史をつなぐ主体者とする」ことを目指して、千葉県市原市に開設された地域博物館である。本稿においては、3D造形技術を用いた文化財の共有をさらに推し進めるために下記の取り組みを遊行した。①「彩色体験」の館内での完結を目指した文化財整理補助員の参与、②当該地域に潜在する造形物の展示、③上記の造形物の3Dデータの「取得体験」の提供。本稿では、本取り組みを報告するとともに、その効果を明確化することを目的とした。以上の取り組みの結果、(1)職員をWSの準備作業に巻き込むことにより、職員の積極的な参与を促し、良いもの・ことを提供しようとする意欲が醸成される。職員自らが、文化財の持続のため体制構築に寄与する可能性が示唆された。(2)本体験は、単なる文化財の興味・関心を喚起するだけではなく、改めて地域の課題を考える機会となり、自らの地域の文化財を守ろうとする意欲を育むことができる。上記から、地域博物館におけるデジタル造形技術を用いた文化財の3Dデータの取得・保存・活用の一連のプロセスの内製化やそれによって、その営み自体が自律していく兆しが見えてきた。

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