主催: 日本デザイン学会
会議名: 日本デザイン学会第71回研究発表大会
回次: 71
開催地: 九州産業大学
開催日: 2024/06/21 - 2024/06/23
死は避けられぬ人生の最後であり、そのことが日々を大切に思う理由となる。古来から、人は死を様々な方法で受け止めてきた。仏教の「死隋念」やラテン語の「メメント・モリ」などがその例だ。私は、この「死を考える」ことを日常に取り入れるべきだと考える。また、核家族化や都市化が進む現代において、弔いの持続が困難になっている。これは、血縁関係者を始めとする個人に弔いの負担が集中し、村のような集団的弔いが失われたためである。かつてのような共同体が失われた今、新しい持続可能な弔いの方法を考える必要がある。この問題に対し、私は、民俗学や社会学の知見を参照し、「かれたとて、いま」という空間を視覚表現として提案した。この空間では、遺体をコンポスト化し、その堆肥で花が育つ。死者は無個性化するが、選んだ花が個人の象徴として残っていく。また、弔いに関わるコミュニティを形成することで、個人と集団の弔いを両立させる。観る者の⾃省や対話を喚起するための視覚表現・空間デザインである。この提案を通じて、死考と弔いの未来の可能性を示し、社会全体で議論を促したい。死考や弔いは日常の中に存在し、社会の重要な問題であることを認識することが必要なのだ。