抄録
近年、デザイン実践における「ふりかえり活動」が重視されている。ふりかえり活動とは、自らの知識や体験、感情などを見つめ、気付きや課題を明らかにし、次へ活かしていく過程である。この過程では、デザイン実践の後に、「何を試み、何を学んだのか」を学問的知識と関連付けながら吟味し、自分の言葉で言語化することが重要で、これにより個人の体験が初めて学習になり、知識として定着させることができると指摘されている。しかし、デザインの演習等においては、成果物の発表会や評価を行う活動はあっても、実践者本人がどのような学びを得ることができたのかの省察を明示的に行う活動は少ない。本研究では、デザイン実践のふりかえり活動の成り立ちを明らかにし、大学ゼミ等の単位でデザイン実践をふり返る際の方法を検討・提案することを目的とする。本稿では、先進的な事例として取り上げたふりかえり活動について述べ、そこから見出した活動の要素や重要な観点について報告する。