抄録
近年、3DCGを駆使したフォトリアルゲームが注目され、中でもクリーチャー(幻獣)制作はキャラクター制作の花形といえる。実在しないクリーチャーは人物モデルと比べて制作難易度が高いが、クリーチャーの視覚的側面に関する制作方法について、学術的に確立したものは皆無に等しい。本研究では、フォトリアルなクリーチャーがユーザーの没入感に与える影響を調査し、8つの視覚的要素仮説を立てた。 7名のゲームユーザーにエスノグラフィックインタビューを実施し、KH Coderで分析した結果、ユーザーはゲームプレイ中にクリーチャーの視覚的要素を無意識に認知し、没入感を得ていることが分かった。特に、クリーチャーの「強さを連想させる見た目」は肯定的に受け入れられ、複数の視覚的要素が組み合わさることで没入感が増す傾向が確認された。 結論として、視覚的要素と没入感には関連性がある、ユーザーはクリーチャーのデザインを認知することで没入感を得る、リアリティと違和感の低減が没入感に直結する、ことが明らかになった。これを受けて実験刺激を作成する。