抄録
本研究は、破損した陶磁器の修復および展示の新たな手法として、生成AIとAR技術の活用を提案するものである。陶磁器は文化財として高い価値を持つが、破損や劣化により展示が困難となる例が多い。従来の修復作業は専門性が高く時間と労力を要するため、効率的かつ柔軟な修復支援技術の導入が求められている。本研究では、画像生成AIによる欠損部の模様補完、3Dモデル化、ARによる展示を通じて、デジタル修復・展示の可能性を検証した。使用ツールとして、写真測量法による3Dデータ取得にはMeshroomとMetashapeを、構造補完にはBlender、画像修復にはComfyUIを採用。中国・日本の陶磁器3点を対象に修復を実施した結果、模様が単純な場合は自然な補完が可能であり、複雑な模様や経年劣化には今後の最適化が必要であることが示された。さらに、AR技術との統合により、没入感のある新たな文化財鑑賞体験を提供すると考える。