抄録
本研究は、看護師を志望する高校2年生36名を対象に、医療現場の課題解決をテーマとしたデザイン思考ワークショップを実施し、その1年後に長期的な教育効果を検証したものである。9か月間にわたるプロジェクトでは、講義とワークを組み合わせた4回のワークショップと2回の医療現場実習を通じて、生徒は実践的にデザイン思考を学んだ。1年後の追跡調査では、多くの生徒が「考える」「作る」といった創造的なプロセスや、大学生との意見交換、グループでの協働作業が印象に残っていたと回答した。さらに、問題解決能力、創造力、チームワーク、自己表現力、課題整理能力などのスキルの向上を自覚しており、これらのスキルは日常生活や授業、実習、発表など様々な場面で役立っている様子が確認できた。特に、課題に対して主体的に考え、仲間と協働しながら自分の意見を整理し発信する力が身についたことが明らかとなった。これらの結果から、デザイン思考は高校生の実践的なスキルや主体的な学習態度の形成に有効であり、長期的な教育効果をもたらす有望な手法であることが示唆された。