抄録
日本では1990年代以降、ファッション・ライフスタイルの雑誌から派生したインテリア雑誌『ELLE DECOR』と『CASA BRUTUS』が創刊し人気となった。本発表ではこの2つの雑誌の記事についてのテキストマイニングを行い、そこで現れた特徴的な語句を含んだ記事内容の特徴を分析した。その結果、前の時代の女性による手芸を主体としたインテリアとは異なり、モダンデザインを積極的に紹介しつつも、インテリアをファッションの最新の流行と同じように語る特徴があったことがわかった。また、両誌ともにインテリアデザインの近接領域として建築やファッション、アートを取り込み、インテリアを軸として、曖昧ながらも新たなデザイン概念を生み出していることがわかった。さらに『ELLE DECOR』ではあくまで自らの暮らしを飾ることが中心であるのに対し、『CASA BRUTUS』では好事家的な知と言ってもよい建築・インテリアに関するマニアとしての知識を獲得したいという欲望が読者に強く、趣味に関するジェンダー的な差異の存在も明らかになった。