主催: 日本デザイン学会
会議名: 日本デザイン学会第73回研究発表大会
回次: 73
開催地: 千葉工業大学 津田沼キャンパス
開催日: 2026/06/12 - 2026/06/14
本研究では、歩行空間において個人と小集団の歩行挙動について着目し、その特性を把握することで歩行者行動および集団行動の実態をより詳細に明らかにすることを目的とする。ビデオ調査から歩行者の位置情報を抽出・補正した上で、方向別に整理した座標データを用いて歩行者行動の可視化をおこない、多重リングバッファおよびカーネル密度推定を用いて、対向者との距離および密度の観点から歩行者行動の評価をおこなった。その結果、歩行者は対向時に約45cm以上の距離を確保し、密度が0.6を超える領域では直進が困難となり、回り込みによる回避行動が発生することが明らかとなった。これらの分析結果を用いて、歩行者行動シミュレーションを構築した。シミュレーションでは、高密度領域の回避および対向者との距離確保を考慮することで、実測で観察されたすれ違い行動や流動の分離現象を再現可能であることを確認した。加えて、歩行者は単なる距離・密度条件だけでなく、対向集団の構造や空隙を認識しながら経路選択を行う可能性が示され、回避行動は空間的余地への志向性として捉えられることが示唆された。