主催: 日本デザイン学会
会議名: 日本デザイン学会第73回研究発表大会
回次: 73
開催地: 千葉工業大学 津田沼キャンパス
開催日: 2026/06/12 - 2026/06/14
本研究では、U 字型にぎり鋏の形態が、古典的な美学に基づく比率によるものか、あるいは道具としての機能的合理性に基づくものかを検証した。計48個の検体を対象に、15項目の形態比率を測定し定量的な分析を行った。その結果、内部の機能的な部位については、黄金比や白銀比といった定型的な美的比例との近似は見られなかった。しかし、「全長÷柄長」の比率においては、黄金比への顕著な近似が認められた。さらに、当該比率は全項目中で最小の標準偏差を示し、安定性を有することが判明した。これらの知見は、U字型にぎり鋏の形態が、機能の集積ではなく、道具としての全体像を決定づける外郭において、無意識的あるいは経験的に黄金比のような美的比例が取り入れられている可能性を示唆している。