デザイン学研究
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不均一な曇天空下に置かれたガウス球面および玉葱状色立体の陰影付け : コンピュータグラフィックスと測色(5)
玉垣 庸一宮崎 紀郎湊 幸衛
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1994 年 40 巻 5 号 p. 1-8

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抄録

輝度と色度が不均一な曇天空を扱うことができるように,第3報で提案した陰影付け手法を拡張し,任意形状の反射面における陰影値をガウスの球面から求められるようにした。不均一な輝度分布の導入によって,球体や立方体の非対称な陰影布置が得られるようになり,均一な曇天空の下では不自然であった立体感を改善することができた。次に,前報で提案した玉葱状色立体と同一形状の立体を,輝度が不均一な曇天空(天頂方向に最大輝度を有し,各方向の輝度がその天頂角の余弦の2乗に比例するような回転対称型の分布)の下に置かれた完全拡散体に見立てて陰影計算し,新たな色立体を得た。前報では均一な輝度分布を仮定したので,等飽和度面(等S面)の等色相線(等H線)に沿って,高さに比例した輝度の変化が得られたが,本報では高さの2乗に比例した輝度の変化が算出された。不均一な分布を導入した結果,玉葱状色立体における明るさ変化の知覚的等歩度性を改善することができた。

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© 1994 日本デザイン学会
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