1995 年 42 巻 3 号 p. 1-10
これまでの研究によって明らかになった「わかりやすさの因子」の重要性を確認するため,因子を実験計画法によって組み合わせ,ビデオテープデッキ(VTD)のシミュレーションを作成し,検証した。その結果,次のことが明らかになった。1)操作の対象を手順に制約されず選択できるようにすることは,わかりやすさに効果がある。手順に制約がある場合は,その制約の関係性を表示することで障害を回避できる。2)処理を自動化することは,必ずしも操作のわかりやすさに効果があるとは言えない。むしろ,操作者が手動で直接操作を行い,その過程を認識することが,障害の対処等においてはよい結果につながると言える。また,操作子間の関連性を表示すれば,より操作性が上がる。3)ユーザーの分節(操作のくくりの概念)に対応した操作子を空間的に配置すると,操作子の増加によって一見複雑な印象を与えやすいが,実際の操作では障害を低く抑える事ができる。