デザイン学研究
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ギャザーパターンに対するユーザーの評価構造と嗜好性の違い
寺内 文雄深水 竜介松岡 由幸久保 光徳青木 弘行
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1997 年 44 巻 4 号 p. 49-56

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抄録

自動車用革製シートのギャザーパターンに対するユーザーニーズを明らかにするために, 本研究ではギャザーパターンに対するユーザーの評価構造と嗜好性の違いを明らかにすることを目的とした。まず, 予備実験として, 順位法を用いた革製ギャザーシートの嗜好調査を行った。双対尺度法による解析の結果, (1)シート表皮色, (2)立体感, (3)ギャザーパターン, の三つの評価要因が得られ, ギャザーパターンの重要性が確認できた。そこで, ギャザーパターンを対象とした官能評価実験を行った。因子分析の結果, そのイメージは「大胆さ・規則性・柔らかさ・優雅さ・はり」などの因子で構成され, 「大胆さや規則性」のイメージはギャザーの本数や長さの影響を受けることが明確となった。さらに, ギャザーパターンに対する嗜好性によって被験者を層別化したところ, 被験者を(a)シートの「柔らかさ」を重視し, ギャザー本数の多いパターンを好むグループと(b)シートの「はり」を重視し, ギャザー本数の少ないパターンを好むグループの二つに大別できた。

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© 1997 日本デザイン学会
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