本論文は, 自動車デザイン支援を目標とする, 進化アルゴリズムに基づく自動車形態生成モデルを提案している。提案モデルでは, 自動車側面の基本的なプロポーションを表す基本点を自動車形態要素と定義し, 自然界に遺伝変異による新種が形成されることを真似て, 与えられたプロトタイプの, ランダムな, 動態な遺伝プロセスを経て, 様々な形態を生成させる。その結果, デザイン支援のためのバリエーションを展開したり, デザイン目標の不明瞭な場合大範囲に探索したりすることが可能となった。モデルを検証するため, 複製誤差の累積効果による遺伝変異の発生に関する実験, および各入力条件下の生成実験を行った。さらに, 車長, 車高, そしてキャビン長による参照空間を定義して, この空間をベースとし, 提案モデルの出力結果の分布, フォーカスのある探索, また方向探索に関するシステム試行実験を行った。これらの実験の結果より, 提案方法のデザイン支援の有用性と可能性を明らかにした。
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