本論は, 街路景観に多大な影響を及ぼす道路系公共物を対象に, デザイン特性の抽出を行い, 現在, 公共物としてあるべき姿から外れているものが如何に多いか, それを修正する方法も提案することで, 道路系公共物におけるデザイン指針の抽出を図ったものである.そのため, 事業者と生活者を被験者とし, 既存の130の道路系公共物に対し, 16アイテム, 43カテゴリーの属性による評価を行い, 主成分分析法による特性抽出を実施した.その結果, 既存の道路系公共物は(1)自分関連度(2)ゆとり(3)目立ち度の3つのデザイン特性を有し, それをもとに意味空間を解釈した結果, 半数近くのものが本来あるべき位置からずれており, それらを本来の位置に修正することこそが今後の公共物のあり方を定めるというデザイン・コンセプト作成のための一指標を得ることができた.