デザイン学研究
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暫時的建築と都市景観 : 現代日本の建築概念の探究
ズゲーブ ハニ
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2001 年 48 巻 3 号 p. 1-8

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抄録

本研究の目的は、日本建築の特性と、その都市環境を分析することにある。そして、現代日本のデザインに作用する要因を抽出するために、筆者は日本の生活と文化の根源に立ち戻る。これらの要因は、過去と現在の間に存在する連続性、サイクルとも言い換えられる、に見出される。自然の再解釈と、支配的な仮設性(一時性)への感性からなる概念、「サイクル」は繰り返し発生し、今日でも新たなスタートが切られようとしている。また、これらの要因は、伝統的儀式と建築、都市景観などを強く結び付けているものの存在ともいえる。それ故、本稿の論議の展開の中で用いた分析の方法は、ミクロからマクロレベルに及び、ミクロにあっては、聖域を示すロープとしての「しめ縄」から、マクロでは都市景観を構成するもの等までが該当する。本稿では、現代における実際の建築例の分析をとおして、これらの概念の再解釈の検証を行っている。

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© 2001 日本デザイン学会
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