2001 年 48 巻 3 号 p. 113-118
伊勢型紙の感性データベースを作るために、「レイヤー」という概念を提案した。このレイヤーは5つから成る。レイヤー1は、コントラストや明暗を表す。レイヤー2は、肌理や密度的な感じを表す。今回は、このレイヤー1、レイヤー2について、コンピュータを利用した、分類方法と検索方法を研究した。画像処理手法である面積統計量、ランレングス行列、フラクタル次元を用いることで、このレイヤー1、レイヤー2を表現することができた。伊勢型紙について、計算で求めた値と、目視観察で求めた値の相関は0.8以上と高いものであった。これらの量は、コンピュータを利用して、機械的に計算できる。このため、多くの型紙を分類するのに役立つ。また、検索実験の結果も満足のいくものであった。