2002 年 48 巻 5 号 p. 5_95-5_102
本研究は,日本と台湾の自動車の新聞広告を対象として,そのレイアウトについて調査・実験を行うことから,新聞広告のより効果的な表現を検討するものである。
日本と台湾の新聞広告の表現について分類し,代表的な各5件を抽出してイメージ実験を行った。実施は1999年,対象は日本と台湾の大学生92名である。実験の結果を因子分析やK-S検定などを用いて分析し,両国被験者の評価の差違や特徴をまとめた。その主な結果は以下のようである。
(1)因子分析の結果,好感度,インパクト度,親近度の3因子が抽出された。
(2)日本人はきれいな広告に惹かれる。一方,台湾人は新奇な広告に関心が高い。
(3)両国に共通して評価が高い広告は,写真やイラストレーションを中心に据え,少な目のコピーで読みやすく,適度な余白をもったものである。
(4)台湾ではほとんど見られない白黒広告に対して,台湾人は高く評価している。