今日まで様々な製品や広告における形態要素とイメージおよび魅力度との関係を明確にする研究は数多くなされてきたが,ファブリックデザインにおいてはその事例は少ない。そこで,本研究では既存ファブリックデザインを構成する形態要素がどのようにユーザーのイメージおよび魅力度に影響しているかを調査・分析することを目的とした。具体的には,地場染色企業の協力を得てサンプルを収集し,アンケート調査を行い,数量化理論第I類,重回帰分析およびクラスター分析などの多変量解析を用い,イメージと魅力度の関係,形態要素とイメージおよび魅力度の関係を分析した。さらに,その分析結果に基づいて,魅力度を制御するイメージを有するように,形態要素を選択し,新しいファブリックデザインの制作を行った。このファブリックデザインを被験者に評価してもらい,その魅力度が制御できていることを確かめた。