本稿では、CG映像で構築された仮想都市に着目し、そこをドライブした際の空間認知特性についての分析を試みた。その結果は、以下のようにまとめられる。1)被験者は学習に伴って能動的に仮想都市の体験の仕方(見方や探索方法)を変えていったことが示唆された。換言すれば、情報の獲得と検証を繰り返しながら認知が進んだ。2)今回行った実験では、道路構成(パターン)等の基礎的な情報でさえも即座に認知することが難しかった。学習を重ねるごとに仮想年の認知に関する精度は高まっていったが、個人差は大きかった。3)視野が狭い、思うように施設建築物等を注視することができない等により認知行動が阻害されるため、仮想都市の認知はかなり困難であったと考えられる。また、特に距離感を把握しづらかったことが示唆された。