抄録
本研究は展示会の計画段階で廃棄物の量と質を予測し、減量化のための新たな設計システムを構築することを目的とする「廃棄物アセスメント」関する研究である。本稿は小間展示の設計図面から「廃棄物量」が算定できる展示会独自の積算モデルを提示したものである。積算モデルを提示するために、展示会現場での実測調査を行い、設計の構成要素である(1)壁面、(2)床面、(3)展示台・カウンター、(4)支柱、(5)パラペット・サイン、(6)その他、それぞれの特性を明らかにした。そして、構成物の重量測定と構造・寸法分析、素材の種類について調査を行なった。その結果、小間展示の構成物の基本構造が把握でき、それぞれの単位重量が得られた。そこで得られたデータを用いて、構成要素ごとに積算モデルを完成した。それは設計段階で「量」の把握できる「定量的評価」の基準となった。また、積算モデルによる計算と実測量を比較して検証を行った結果、その誤差は±5%〜7%であり、その実用性を確認した。