デザイン学研究
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中国古典様式家具の日本への影響に関する研究 : 坐臥具の牀・榻・〓を中心として
石丸 進石村 真一
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2004 年 51 巻 3 号 p. 1-10

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抄録

本研究は,わが国の室内・家具と中国家具文化とのかかわりを,坐臥具を中心に比較・検証した。その結果,次のことが明らかとなった。(1)中国坐臥具の床(牀ともかく)は寝台であり,日本の「床の間」「床几」「床子」などの語源や形態に影響した。(2)「榻」は,日本の縁台や店棚形式の坐具と類似する。(3)中国北方の寝床「?」での起居様式は日本と同じ床坐であった。?で使用する「?卓」は、日本の「座卓」の原型であった。(4)?の起源は,古代中国の俎を原型とし,小?子は,日本の踏台や風呂腰掛けと同一構造・形態であった。(5)条?は,日本の床几と構造・形態で一致し,使用法も類似していた。

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© 2004 日本デザイン学会
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