2006 年 53 巻 1 号 p. 9-18
本稿は、感性工学的観点から、消費者のシャンプー容器のパッケージデザインに関して抱く感性的なイメージ評価を数量的に把握し、新商品のパッケージデザイン開発過程でのリスクを出来る限り小さくするためのパッケージデザイン学構築を目的とする基礎的研究である。消費者のシャンプー選択時の基準およびそのときのパッケージデザインに関する消費者のイメージ評価をあいまいな言語学的表現によるファジィ事象と見なして数量的に取り扱うことで、アンケート調査結果の汎用性のある新しい分析方法を提案した。日本と韓国におけるアンケート調査結果にこの新しい分析手法を適用し、両国消費者のパッケージデザインに関するイメージ評価をファジィ事象と見なした場合の諸因子の平均値と分散、およびパッケージデザインに関する消費者の好きおよび嫌いに関するイメージの度合いを表した嗜好度や嫌悪度を定義し、数量的に評価する。