デザイン学研究
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53 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • Seyed Javad ZAFARMAND, Kazuo SUGIYAMA, Makoto WATANABE, Kenta ONO
    原稿種別: Article
    2006 年 53 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー
    This paper is concerned with an analytical research on product aesthetic durability that is considered as the particular indication of the broad concept of product aesthetic sustainabiliry. As aesthetic boredom is the opposite of aesthetic durability, the research goes into a comparative fieldwork on product aesthetic boredom to inversely approach product aesthetic durability. Indeed, this paper prefaces the fieldwork whose major outcomes will appear in the two following papers. So, it generally reviews the whole story, backgrounds, approaches and plans of the research, and specially introduces the process and results of an exploratory inquiry on product replacement before the products breakdown as the first phase of the fieldwork in detail. The results of this exploratory inquiry firstly illustrate the role of boredom in product replacement and finally lead us to decide the object and subject age group for the next phases of the fieldwork.
  • 鄭 秉国, 洪 起, 豊口 協
    原稿種別: 本文
    2006 年 53 巻 1 号 p. 9-18
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー
    本稿は、感性工学的観点から、消費者のシャンプー容器のパッケージデザインに関して抱く感性的なイメージ評価を数量的に把握し、新商品のパッケージデザイン開発過程でのリスクを出来る限り小さくするためのパッケージデザイン学構築を目的とする基礎的研究である。消費者のシャンプー選択時の基準およびそのときのパッケージデザインに関する消費者のイメージ評価をあいまいな言語学的表現によるファジィ事象と見なして数量的に取り扱うことで、アンケート調査結果の汎用性のある新しい分析方法を提案した。日本と韓国におけるアンケート調査結果にこの新しい分析手法を適用し、両国消費者のパッケージデザインに関するイメージ評価をファジィ事象と見なした場合の諸因子の平均値と分散、およびパッケージデザインに関する消費者の好きおよび嫌いに関するイメージの度合いを表した嗜好度や嫌悪度を定義し、数量的に評価する。
  • 鄭 秉国, 洪 起, 豊口 協
    原稿種別: 本文
    2006 年 53 巻 1 号 p. 19-28
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー
    本稿は、ファジィ理論に基づく言語的イメージで評価される消費者の感性を数量的に評価する手法を導入することで、シャンプー容器購買時のパッケージデザインに関するイメージ開発過程でリスクを出来るかぎり小さくすることが可能なパッケージデザイン学構築を目的とした研究論文の第2報である。第1では、消費者の購買活動に影響を及ぼすシャンプー容器のパッケージデザインに関する因子を数量的に評価した。本稿は、感性工学的観点から、消費者のシャンプー容器のパッケージデザインに関するイメージを的確に表現する形容詞項目を日本と韓国で20個抽出し、この形容詞項目を用いて、シャンプー容器選択時のパッケージデザインに関する消費者のイメージ構造を明らかにする。また、第1報で論じた各シャンプー容器の嗜好に関する得点、嗜好度、および嫌悪度に直接関わると思われる形容詞項目との相関関係を数量的に分析する。アンケート調査から得られたデータ分析に対しては、第1報で展開したファジィ理論に基づく新しい分析手法が適用される。
  • 粂川 美紀, 堀田 明裕
    原稿種別: 本文
    2006 年 53 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー
    本研究は、行政による高齢者の生きがい対策の具体的内容を調査し、高齢者の精神的多様性の視点から考察して、生きがいデザインの今後の方向を検討することを目的とした。文献調査の結果、1960年代に始まった国の生きがい対策は、現在では高齢者が実際に望む生きがいと乖離していることが示唆された。対策の不足部分を把握するために、82の地方自治体の生きがい対策を目的と内容との関係で調査し、クロス集計および数量化3類等で分析を行った。その結果、多くの自治体では老人クラブ等による生きがい支援が中心で、自由を好み、個人的行動を基本とする生きがいへの対応が不足していた。高齢者の生きがいデザインの今後の方向として、高齢者の価値観の多様性へ対応する必要があること、そのために高齢者の潜在的要求を抽出する手法を検討する必要があることが考えられた。
  • 佐藤 弘喜, 原田 昭, 遠藤 善道
    原稿種別: 本文
    2006 年 53 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー
    我々は過去の関連研究において、文様デザインに対する鑑賞者の認知構造をレイヤーという言葉で表現し、5種類に分類した。解析的手法により、5種類のレイヤー間の関係や性質の違いを明らかにすることを本研究の目的とする。文様に対する評価値と画像特徴値を用いて、正準相関分析を行った。解析の結果得られた2つの軸を解釈し、1軸を統計的評価軸、2軸を構造的評価軸と名付けた。2つの軸は、全体のニュアンスの視覚と形態的特徴の視覚に対応していると考察された。解析結果の順位から、全体的ニュアンスの視覚が喚起されやすいと考えられた。明暗レイヤーは白い部分の全体的配置、テクスチャレイヤーは全体の分布、構造レイヤーは配列規則、運動レイヤーは要素の移動による連続的な印象、ディテールレイヤーは要素の目立ちやすさであることなどが明らかになった。
  • Aoi MORISHITA, Takao KUROKAWA
    原稿種別: Article
    2006 年 53 巻 1 号 p. 43-50
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー
    In ukiyo-e, which reflects and represents the aesthetics unique to Japan, the ideal dressed female figure in the Edo Period is depicted, and the features of figure vary during the long Edo Period. In this paper, firstly we chose some works produced in the Edo and the early Meiji Periods by eminent ukiyo-e artists, and categorized them into 6 groups. Thereupon, we estimated the body shape of the depicted dressed standing female figure, and made a quantitative analysis of the features seen in the female body depicted. Based on the analysis, we pointed out the following, 1) the transition depicting some regions of body with the lapse of time is noticeable while other is not, 2) the body shape of the depicted figure has a cylindrical torso without much constraction in the waist, as compared to the proportions of modern female adults.
  • 尹 永泰, 朴 燦一, 宮崎 清
    原稿種別: 本文
    2006 年 53 巻 1 号 p. 51-58
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー
    韓国におけるデザイン振興は、国の近代化政策と相まって、近代化の第一目標であった輸出振興の一環として始められた。世界に向けてより良質かつ競争力のある輸出製品の生産をめざし、商品の包装デザインに始まり、その後のOEM商品のデザイン期から独自のデザイン開発にいたるまで、国の産業振興に大きな影響を与えてきた。このような産業振興のためのデザイン開発に関する考え方は、今日の地域振興にも影響を与えている。従来の中央中心の地域政策からの脱皮が図られ、地域が自立・自律できるための新しい力を地域に与えていくことが求められている。その中心にはデザインが据えられ、それを支えていく主体として「地域デザイン革新センター」が位置づけられている。総じて、「地域デザイン革新センター」は、地場産業の振興ならびに地域全体の振興の中心的な役割を担い、その手段として「デザイン的手法」を基盤とし、地域と住民、産業や大学などを連携する地域ネットワークの中心的な役割と活動が期待される。
  • 金 明蘭, 樋口 孝之, 宮崎 清
    原稿種別: 本文
    2006 年 53 巻 1 号 p. 59-68
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー
    韓国では1990年から地域の象徴通りとして「文化通り」での整備が進んでいる。本研究では、「文化通り」の街路空間特性の考察、ならびに、完工済みである「文化通り」の現地調査と自治体管理者へのインタビュー調査から舗装面の物理的形態と通りの利用特性について解析を行い、「文化通り」のフットスケープデザインについて総合的な考察を行った。現状では、ローリング工法であるアスファルト舗装と経済的なセメントブロック舗装が大部分を占めており、歩車共存、施工の容易性、経済性が優先されている。美的配慮や地域特性の表現、環境親和へ配慮がなされたフットスケープデザインは少ない。一方で、「文化通り」は地域の要所に設定され人通りも多く、半数の箇所でイベントも開かれていることが確認された。「文化通り」のフットスケープデザインおいては地域のアイデンティティの表現が強く求められ、ブロック舗装をはじめとした多様なパターン展開を容易とする舗装を積極的に活用することが有効である。
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