デザイン学研究
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環境グラフィックの概念的理解(研究論文)
高 台泳
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2006 年 53 巻 3 号 p. 11-20

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抄録

人間の存在する空間としての環境を彩る視覚的イメージである環境グラフィックは、その歴史がきわめて古く、先史時代にまでさかのぼることができる。その一方、1960年代になってはじめて「環境グラフィック」という名称が与えられ、デザインの対象と認識されてから、環境グラフィックは更なる転機を迎えた。本研究は環境グラフィックが今後の生活に役立つよう、その可能性を見つけ出し、今後のあり方を示すことを目的としたものである。その目的のために、環境グラフィックの具体的な事例の検証や分析に先立って、環境グラフィックとは何かを理解する必要があったため、従来の文献資料に基づいて、その概念的整理を試みた。特に形式と対象範囲、流れについて考察した結果、長い歳月をかけて、人間の存在する全領域に対して、グラフィックの一種として影響を及ぼしてきた環境グラフィックの全体像に近づけることができた。さらに、今回の考察から、環境グラフィックという言葉は、環境におけるつグラフィックの諸作例を代表する名称と位置づけられることが確認された。

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© 2006 日本デザイン学会
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