2006 年 53 巻 3 号 p. 31-40
本研究は、"17種のウォールペーパー・パターン"という数学のトピックスを、デザインの課題として取りあつかったものである。同トピックスにおいて、過去の模様図版から17種をサンプリングした例は報告されているが、現在の市場商品からのサンプリング例をみない。そこで本研究では、現在、東京の市場に並ぶ商品からこの17種のサンプリングをこころみた。その結果16種のサンプリングを得たことで、模様なき時代といわれる今日でも模様の存在をたしかめることができた。サンプリング結果から、ブランドマーク、ロゴ、キャラクターのパターンが現代の模様を特徴づけていることが考察された。また模様の作り手においては、17種のうち数種しか移動方法をためしていないことが推察された。本研究を通じて、今後も"17種のウォールペーパー・パターン"をデザイン課題として取りあげていく必要性を感じとることができた。