デザイン学研究
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製品使用における高齢者ユーザのライフスタイル要因の把握と類型化
森 亮太山岡 俊樹
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2008 年 54 巻 6 号 p. 29-38

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抄録

本研究の目的は,高齢者ユーザのライフスタイル要因に基づいて彼らの製品利用に関する特徴を把握することである。292名の高齢者を対象にアンケート調査を実施した。因子分析の結果,彼らの製品を伴うライフスタイルは「興味」「充実」「自信」といった3つの要因で構成されていた。その変数を用いて,データはクラスタ解析された。これらの結果から,高齢者ユーザには,(1)ポジティブ,(2)ネガティブ,(3)不安,(4)閉塞の4つのタイプが存在することが確認された。ポジティブ群とは,電化製品に興味があり積極的な態度の姿勢の見られる群である。対照的に,ネガティブ群とは,電化製品に興味がなく消極的な態度の姿勢が見られる群である。不安群とは,上記の両群の中間に位置する群である。閉塞群とは,不安群に比べ,電化製品に対して関心があるものの,他群に比べ不満や閉塞感を多く抱える群である。本研究は,高齢者のためのデザインの際の手がかりとなるであろう。

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© 2008 日本デザイン学会
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