デザイン学研究
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図記号の画材選択法が理解度に与える影響
楊 莉堀田 明裕赤瀬 達三
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2009 年 55 巻 5 号 p. 5_9-5_18

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抄録

 前報においては,記号論と比喩の視点から図記号の画材選択法を分類した。本報では,それらの分類を用いて,図記号の画材選択法による分かりやすさの違いや,図記号のデザイン条件を導出することを目的とした。日中大学生,日本人高齢者を被験者として,115の公共用図記号の意味について質問紙調査を行った。各画材選択法で表す図記号において,異なる被調査者の正答率,誤答から推測した理解の仕方等を分析した。結果として,①図記号の枠の中の画材は枠より理解度への影響が強いこと,②3つのグループ,特に高齢者グループの理解の特徴,③各画材選択法で表す図記号において,表示概念と画材との関係について,「特定の行為の概念を具体物の画材に置換して表す図記号」等の画材選択法が相対的強く,「場所の概念を行為の画材に置換して表す図記号」等の画材選択法が相対的弱いことを明らかにした。また,④各画材選択法における正答率が高いものと低いものの特徴から,画材選択法の留意点を伺える。

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© 2009 日本デザイン学会
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