映像を用いた「メディア遊び」ワークショップのデザインとその実践を中心に、報告する。
本稿ではふたつの「メディア遊び」ワークショップを報告する。これらは映像を諸要素に分解し、遊びの要素を含めた形でデザインしたものである。ひとつは映像に対する音の要素に着目しその映像に対する効果を体験するためのプログラムであり、音を「感じる」遊びとして成立しながら、映像と音の関係を理解することができた。もうひとつは映像の制作現場を「演じる」遊びに着目したプログラムであり、映像制作の大まかな流れや各自の役割の意味を理解することができた。
実施されたワークショップの中に生まれた学びは、結果的に「メディアリテラシー」で実践されたものと同じ学びを含んでいるが、「メディア遊び」は遊びとして設計されていることから、参加者の自発的な意志が重要となっていることが「メディアリテラシー」との大きな違いである。