デザイン学研究
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ホスピタルアートに対する患者の鑑賞行動と印象の評価
-外来待合と連絡通路における調査
吉岡 聖美
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2012 年 59 巻 3 号 p. 3_31-3_38

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抄録
本論文では,病院に展示されたホスピタルアートに対する患者の鑑賞行動および印象の評価を調査することによって,ホスピタルアートの有効性を確認することを目的とする。方法は,病院の外来待合および連絡通路のホスピタルアートについて,患者の鑑賞行動と快・不快の印象についての評価,および,通院期間,通院頻度,当日の経過時間,平均的な病院滞在時間について外来患者から回答を求めて分析を行った。外来待合では,待ち時間が長い患者ほど,通院に対するホスピタルアートの鑑賞頻度が大きく,意識的に見て,快さが大きいことが示された。また,連絡通路では,通院期間が長い患者ほど,通院に対するホスピタルアートの観賞頻度が大きく,意識的に見て,快さが大きいことが示された。これにより,病院に展示するために制作されたホスピタルアートについての有効性が示された。
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© 2012 日本デザイン学会
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