デザイン学研究
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ユニバーサルデザイン信号灯の社会実験に関する考察
落合 太郎
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2013 年 60 巻 4 号 p. 4_29-4_34

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抄録

世界初となるユニバーサルデザイン信号灯の公道上における社会実験を2012年1月27日から3月30日の間、福岡県警察本部および福岡ビジネス創造センターと著者が共同で実施した。赤信号に特殊なLEDで埋め込まれた「×」印が健常者には気にならない程度の存在であるのに対し、色覚障碍者にはよりくっきりと見えて、止まれの意味が良く伝わるという基本コンセプトを提示した。アンケート調査では、有効回答数257の約94%が賛成意見であった。赤灯に「×」印は適合する組合せと受けとめられ、輝度差による図示には違和感が少なく、色覚障碍者が安全に運転できる信号は必要であるという総意を得た。一方「×」印は昼間より夜間で見えにくかったため、青色光の割合の再調整と当該LEDレンズ性能の改良点が見つかった。色覚障碍者から多数寄せられた意見からは3灯式より1灯点滅式信号灯が難問であり、優先するニーズであることが分かった。

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© 2013 日本デザイン学会
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