デザイン学研究
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報知音に対するサウンドスケープ・デザインの適用
明土 真也
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2013 年 60 巻 4 号 p. 4_35-4_44

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抄録

聴取音は、原音、音源、意味等を示し、心理、生理、活動等を誘引する。このような性質を「音の記号性」と呼ぶ。また、音の記号性が作用する場であるサウンドスケープの構成要素は、空間及び場所、音源、外界の音、聴取者、触媒、音の記号性が聴取者に作用した結果である。触媒とは、空間及び場所、音源、音、聴取者以外に、音の記号性に影響を及ぼす事物である。そして、サウンドスケープ・デザインとは、音に備わる種々の記号性が最適に作用することを目的として、これらの対象をデザインすることである。本論では、このサウンドスケープ・デザインの手法を報知音に適用することを試みた。その結果、触媒もデザインの対象であるという観点より、意味の触媒である文脈をデザインするという着想を得ることができたため、種々の文脈に応じたサウンドスケープ・デザインを提言した。

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© 2013 日本デザイン学会
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