2016 年 62 巻 6 号 p. 6_21-6_26
服飾デザイン画において衣服の形状に施されるデフォルマシオンについて解明するため,ワンピース類71点のデザイン画と制作された衣服の写真に人体と衣服の2次元形状モデルを適用して,それぞれ衣服寸法5項目を抽出した.まずデザイン画と実物写真の衣服寸法の分布から,試料には人体のデフォルマシオンとは異なる衣服固有の変形が施されていることが分かった.このため回帰分析を行ってデザイン画の寸法(D)によって実物写真(D')の衣服寸法を表現する式として,スカート丈ではD' = 0.81D + 16.73(r = 0.89),衣服ウエスト幅ではD' = 0.36D + 51.69(r = 0.60),衣服腰幅ではD' = 0.31D + 70.88(r = 0.63),スカート幅ではD' = 0.44D + 61.24(r = 0.80),裾幅ではD' = 0.42D + 68.52(r = 0.74)をそれぞれ導出した.また衣服寸法の項目どうし,およびデザイン画に描かれる人体のデフォルマシオンとの関係について分析した.