抄録
本研究は,都市空間に心地よく吹く風や,紅葉などの季節の変化への意識を高めることを目的として,環境体感を促す装置を空間の装飾として組み込むことを試みた.風を皮膚感覚ではなく視覚で感じるなど,他の感覚へと置き換えることで体感しやすくするものである.東急プラザ表参道原宿の屋上緑化空間である「おもはらの森」を対象として,383個の環境体感装置を緑と一体となるように設置し,2014年10月の7日間に渡って一般開放した.環境体感装置を設置しない通常時と,設置した実験時において,利用者の環境体感の程度を把握するアンケートを行った結果,実験時には「緑」と「季節」をより強く感じることに対して,昼夜を問わず有意な結果が得られた.またその場所に吹く「風」をより強く感じることに対して,昼のみ有意な結果が得られた.環境体感装置自体を意識しなくても,装置を介して周辺環境を体感する効果があったことが確認できた.