抄録
本稿は消防団に配備される小型動力ポンプ付積載車(以降,積載車)の放水操作のデザインに資する知見を得ることを目的とし,積載車の調査・消防団活動の実態調査・消防団員(以降,団員)を実験協力者とする放水操作タスクの実施におけるプロトコル分析の結果と考察を述べ,その操作のデザイン要点を示す.調査では積載車における放水操作仕様の不統一や団員活動における問題が明らかとなった.実験では団員にとって意識化された記憶と,意識せずに実施できるようになるまでに無意識化された記憶,ほぼ記憶されていなかった事柄,一般的なステレオタイプが適用されない事柄,誤ったメンタルモデルの形成が推測された事柄などが把握された.最後に,放水操作のデザイン要点として,消防団員のエピソード記憶や手続き記憶の形成,放水作業におけるトラブルへ対処可能なメンタルモデル形成を提案する.